GMAT MathでDataが苦手/難しいので解き方を教えてください。と毎年必ず複数名から相談を受けます。結論から申し上げますとData特有のApproachは存在しません。Data SufficencyだろうがProblem Solvingだろうがmathはmathなので特殊な解き方は存在しません。
Dataで得点ができない根本の理由はdataが苦手なのではなく数学の根本的なfoundationが不十分であることが殆どになると思います。
DS問題がPS問題よりも正答率が悪い理由は、推測するに単純に答えの選択肢が手元に無くplug inによって求められないからでは?と推測します。数学がある程度できる方達はDataの問題/PSの問題で同じように解くだけですので差異は感じません。
しかしそれでは点数が取れない人たち向けのadviceにはなりませんので応急処置的に解説しておきます。おそらく推測ですがDS/PSで難易度の差を全く感じない方は原則同じように解いていると思います。DSの問題がどのようなものか…という説明はOGで問題を解けば理解できると思いますのでカットさせて頂きますがご容赦ください。
問題文から条件を絞る
数問のみOG advancedから拝借しますね。
原則2通りで詰めることになると思います。まずは問題文から正誤判断をする上で必要になる条件を洗い出します。
#1
If b is the product of three consecutive positive integers c, c + 1, and c + 2, is b a multiple of 24 ?
(1) b is a multiple of 8
(2) c is odd
解答
解答解説というよりは問題文を読んでから解答を導くまでのprocessが伝わるように説明させて頂きます。まずは基礎中の基礎ですが問題文を数式表記させると、整数kを用いて
b=c(c+1)(c+2)
と表現できますね。聞かれていることはbが24の倍数かどうかなので、選択肢2つへ移行する前にbが24になりえる為の条件をこの段階で抑え込みます。次いで1 or 2がその条件と合致するかどうかの判断を行えばDS特有の問題でも何でもありません。
まずはc(c+1)(c+2)が一体何の倍数と言えるかどうかの情報を取り出します。3つの連続する整数は3の倍数ですね(こちらでも解説していますので省略します。くれぐれも暗記はしないでください)。もちろん6の倍数でもあるのですが2の倍数を一つだけ取り出すとややこしくなりますので3の倍数のみ先に取り出します。
そうするとc(c+1)(c+2)は必ず3の倍数を含んでいますので、c(c+1)(c+2)が24の倍数になりえる条件は、この段階でc(c+1)(c+2)が8の倍数であるかどうかに集約されますね。
つまりc(c+1)(c+2)が8で割ることができればc(c+1)(c+2)は24の倍数と言い切ることが可能になります。最低限ここまで情報を整理した段階で選択肢へ移行すると
1は成り立ちますね。
2の場合はどうでしょう。c(c+1)(c+2)のcが奇数の時は、c=2t-1を代入してc(c+1)(c+2)=(2t-1)(2t-1+1)(2t-1+2)=(2t-1)2(t-1)(2t+1)
と表現できます。赤字の二つは奇数ですのでc(c+1)(c+2)は少なくとも2の倍数とは言えますが8の倍数になるかどうかはt-1が4の倍数になるかどうかに依存してしまいますね。この段階で選択肢2は誤りと判定できます。
この問題の場合基本的に選択肢吟味へ移る前々の段階から何を判定すれば答えが出るか?という的をclearにした上で考察を立てています(このApprochは非常にCRに似ています)。今回であればc(c+1)(c+2)が8の倍数であれば成立する、と前々から抑え込んだ上で吟味しています。こうするとData系の問題はただのmathの問題に過ぎません。
基本的に私はこのように解きますが、だいたいこのapproachが使えるのは60%程度になると思います。
選択肢から条件を絞る
上記の問題の場合は選択肢へ移行する前の段階でc(c+1)(c+2)が8の倍数になるかどうかで正誤判断可能、と選択肢の正誤判定を絞っていますが半分弱程度はこのapproachが使えません。
理由としては単純で、問題文から解答を絞り込むだけの十分な情報が得られません。
If K is a positive integer less than 10 and N = 4,321 + K, what is the value of K?
(1) N is divisible by 3.
(2) N is divisible by 7.
例えばこれですね。Kが9以下という情報が与えられているだけですが選択肢に頼らないとKの判定は行えません。この場合選択肢から得られる情報を抽出するしか手立てがありません。
解答
合同式を使います。
(1)の場合合同式を使い、Mod 3を考えると
N=3(1440)+1+K=1+K=0 (mod3)
と表現できますのでKは整数nを用いてK=3n+2と表現できます。これとKが9以下である条件を利用するとK=2,5,8の3つの選択肢が候補になりますが決定できませんのでNGです。
(2)の場合も同様に合同式を使うと
N=7(617)+2+K=2+K=0 (mod7)
と表現できますのでKは整数nを用いてK=7n+5と表現できます。この時n=0の時が題意を満たすのでK=5と確定できますので(2)のみで正解、と判断します。
どちらの場合も設問→選択肢 or 選択肢→設問と向きが変わっているだけでData独特の解き方、考え方を行なっている訳ではないですね。どちらの方法を取るべきかですが原則設問から入りますが設問を読み終えた段階で判断を下しますので、正しく判断を行えるかどうか、は結局のところ数学的な見積もりが正確に立てられるかどうか次第になってしまうと思いますので、dataに苦手意識がある場合は冒頭でもお伝えさせていただいた通り愚直にmath powerの底上げを行うことが最も良い解決策になると思います。